「手になじむ」がよく分かる

大原拓也さんのめし碗は、持ちやすくて食卓で様になる。もうこれに尽きます。使えば使うほどに、大きさ・重さ・形のバランスがよく考え抜かれているのを感じる。よく耳にする“手になじむ”という言葉ですが、「あーこの感覚のことか」というのがよく分かります

おいしいご飯は、よいめし碗があってこそ

裂粉引は、大原さんの代表作ともいえるもの。陶芸界では一般的に失敗とされてきた「化粧土の貫入（ひび）」を独自にデザインとして取り入れて制作されています。

経年使用によって表情が変化していくのも裂粉引のおもしろいところ。料理の水分や油分がすこしずつうつわになじんでゆき、部分的に青みがかったような表情に変わってゆきます。「育てるうつわ」という表現が、まさにぴったりと当てはまるといえますね。

自家製のぬか漬けと一緒に。

めし碗　裂粉引